⸺彼が博士になるまで
“筋電メディカルEMS”の祖、森谷敏夫博士の半自叙伝。
怪我をしたアスリート、フレイル高齢者、自力で筋肉がつくれなくなった方々に、筋肉づくりのすべての知見を捧げます。
<はじめに より>
『末は博士か大臣か』は、私の祖父 菊池寛の原作を元にして1960年代に作られた映画である。大ヒットした。
「末は博士か」と言うからには、その頃、博士になるのは立身出世の象徴だったのだろう。
青年時代、オリンピックに!と夢を描いていたスポーツ好きの森谷敏夫が、ケガをきっかけに、ぱっと頭を切り替えて博士になる道を歩み、見事に成し遂げた。
菊池寛はかつて、作家の地位向上とともに、どうやったら食えるのかに心血を注ぎ、株式会社文藝春秋を興した。その志は今も事業として脈々と続いている。
国策によって近年、学者の数は飛躍的に増えたが、結果、なかなか学者は食えずで、知財に対する企業の扱いも低い。そのことにいつも思いをめぐらせている森谷敏夫である。この時代、知財こそが、イノベーションを起こしうる要であるのに。
菊池寛の志と重なって見える孫の私にこの学者出身の森谷敏夫による知財向上プロジェクトの一助を担わせていただければ、法外の喜びである。
(菊池夏樹/高松市菊池寛記念館名誉館長、(株)文藝春秋社友)
〔目次〕
はじめに
第一章 彼
兵庫県尼崎生まれの天才児/めざすはオリンピック/悪夢
第二章 博士
南カリフォルニア大学/三つの道/ジェラントロジーと老年期
第三章 これから
最期を上手に迎えるために/健康知識者たれ!/EMSの効用/筋電メディカルが「これから」向かうところ
第四章 私が森谷博士に興味を抱いたワケ
おしまいに
森谷敏夫 紹介
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