閉門即是深山 532
弘法大師空海
JP高松駅を降りると斜め右手に高松城の城跡が見えます。正面は、瀬戸内海。船着き場があり、やれ小豆島行きなど数多くの島々を往復するフェリーのり場があるのです。
高松城は、海城でお堀は海水なのです。日曜日や祭日には、船頭さんが編笠山を被り、棒を突きながらお堀をめぐる猪牙舟のような小舟に乗せてもらえます。船頭さんから、魚の餌をもらいお堀を覗くと沢山の背ビレが舟の後を追ってくるのです。が、それは鯉でも鮒でもありません!海城ですから、鯛なのです。
この海城のある高松城は、日本三大水城として有名なのです。高松城は豊臣秀吉の四国征伐の後に、生駒親正によって築かれました。江戸初期に徳川御三家の中納言水戸家の徳川光圀の兄、松平頼重によって改修されたのです。高松城の天守閣は“唐造り”でした。が、明治17年(1884年)に老朽化によって解体されたそうです。
私の祖先は、武士でしたが小田原攻めの時に高野山に逃げ込み儒者の道を歩み出したのです。それ以来、儒教儒学者として、水戸から来られるご当主に儒学をお教えする博士の立場になります。
高松城の堀に沿って「築港」という電車の駅があります。小さな駅で琴平電鉄、通称“ことでん”の終点です。“ことでん”も2両か3両の短い電車で、ゴットン、ゴットン、と走る姿は、見ていてもノスタルジックで楽しいものです。この電車、金毘羅さんに向かうのですが、金毘羅宮のあの途轍もない階段を登らなくてもいいんです。金毘羅さんの麓には、大小沢山の温泉旅館がありますからここでのんびり温泉を楽しむのも快適です。あまり知られていないのですが、素晴らしい旅館が沢山ありますよ!金毘羅さんの石段を四分の一くらいかな?上った所に国指定の重要文化財「金丸座」があります。こんぴら歌舞伎で有名なんです。
先日テレビをつけたらNHKが謝罪していましたっけ。どうも、撮影の際にクルーが桟敷の桟を折ってしまったようなんです。重要文化財をNHKが壊しちゃったんですよ!若いクルーには、歴史の重要性、価値、文化財の心が判らないのでしょうか?マスコミの一員なのに!
築港と金毘羅さんの駅の間に、善通寺というお寺があるんです。御父佐伯善通さんと御母玉寄御前(玉依御前)に賢いお子さんがお生まれになった所です。当時は、讃岐国多度郡でした。その御子のお名前は、幼名を佐伯真魚(さえき まお)と仰いました。774年(宝亀5年)6月15日、ちょうど年金の支給日ですが、真魚少年は、長じて真言宗の開祖になられます。仏教に帰依して、教海→如空→空海と名のられます。讃岐では“お大師さん”と呼ばれて親しまれているそうです。このタイトルに書いてあるのでお判りでしょう!弘法大師様です。そう「弘法筆を選ばず」の御方です。遣唐使の一行と中国長安に渡って勉強したり、四国遍路を始めたり、京都の東寺を嵯峨天皇から託されたり、高野山を修行の場として開いたり、どうぞ四国高松を旅してください!