閉門即是深山 502
高松市民から神田松鯉さんへ
以前書いたことだが、この10月、讃岐高松で毎年秋に催する特別講演会に人間国宝の講談師・神田松鯉さんをお連れした。東京に居ても、なかなか講談を聴くチャンスが無くなった。
昔、テレビなど無くラジオが楽しみな時代は、ラジオの講談番組が多かった。一龍齋何某など、ラジオで知ったお名前だった。テレビ時代の始め頃は、結構講談をテレビで聴く機会があったが、今は、寄席でしか聴くことが出来ない。最近になって松鯉師匠の愛弟子六代目神田伯山がテレビやラジオで人気者の講談師として出演をしているが、やはり講談を聴くには寄席に出向かねばならない。
何年か前まで高松駅の向かいにあるサンポート高松のホールは修繕に入ったので、今回は、国際会議が出来る建物を使った。舞台があって、客席がある。と、いう形ではない。多目的に使えるホールであった。客席の前に備え付けのテーブルがあるから、300名しか入れない。あっという間に、予約で300名を超えてしまった。
1部と2部は、松鯉師匠の話。3部が私との対談で構成されている。1部は、講談とは何か?
2部は、人間国宝神田松鯉師匠の講談。演目は、私の祖父で高松育ちの作家菊池寛原作『恩讐の彼方に』を講談調にして下さった。
3部は、師匠からどんな話にするか?東京でお会いした時も、講演前の打ち合わせの時も訊かれたが「お客様のお顔を見ながら決めましょう!最初5分ぐらい、この『恩讐の彼方に』がどう生まれたかを私が話します。その後師匠に、振っていきますから」さすが、師匠は、それでいいと仰ってくれた。
さて、終わって何日かたった時、高松の菊池寛記念館の特別講演会の担当者から封書が届いた。開けてみると、時候の挨拶、そして「当日にお客様から寄せられましたアンケートの集計ができた」こと「どのアンケートも、お喜びの声であふれいる」こと、ぜひ読んでほしいと付け加えられていた。お客様の言葉は短いが、喜びにあふれていることは確かだ!そのまま書けば著作権の乱用の恐れもあるし、どなたが書いたか判らなく許可ももらえないので私が纏めて、シャッフルして、ここに掲載します。
NHK朝ドラで里見八犬伝の講談が出てきたので、一度生で聴いてみたいと思っていたのです。
祖父が聴いていた横で、私も耳にしていました。60年も前の事です。
講談を聴くチャンスは高松ではほとんどありません、特に人間国宝の講談を直接聴くことが出来るなんて夢のような話です。
神田松鯉師匠の“講談についてのお話”の中に、講談は怒り、まっすぐぶつかる人間怒りだとご説明がありましたが、師匠の講談を聴かせて頂いて「なるほど!」と得心する迫力と人物像を感じました。
師匠のとても美しい凛々しい声が、とても心地よく、本はこうやって聴くのがいいなぁと思ったくらいです。
お腹の底から出るハリのある師匠の声、色々な声音、リズム感、表情等、臨場感が違います。
生の講談を初めて聴いて、話芸の醍醐味が素晴らしいと感じました。師匠の講談を聴き、菊池寛の作品を読みたくなった程です。とても良い経験をさせて頂きました。
講談は、今でいえばジャーナリズム、マスコミですね!もっと聴きたかった!面白かった!迫力がありました!満足しましたし、なによりも素晴らしかった!
人間国宝神田松鯉師匠、有難う御座いました!