閉門即是深山　４７０

往きはヨイヨイ、帰りはコワイ！

アァ～、疲れた！これほどまで疲れた高松出張は、今までなかった！

往きは、祭日だったために新幹線は混んでいた。私は、年に３回くらい高松に出張する。４回の時もあった。最初の頃は、飛行機を使っていた時が、息子に飛行機をやめて新幹線にしろよ、と言われた時から陸づたいに行くことに決めた。
現在、住む家からは東京駅は近い。マンションの入口の前にバス停があり、東京駅八重洲口行きが頻繁に来る。８～９つのバス停に停まるが、バス停の距離はさほど長くないから、２０分、余裕をもって３０分で東京駅に着く。

頻繁に新幹線を使うようになってからJRの大人の休日俱楽部に入った。年会費を払っても充分に得だからだ。乗車券と新幹線の座席指定券等は、入会すると３割引きになる。高松は、岡山からマリンライナーで瀬戸大橋を渡る。このマリンライナーも３割引きになる。もちろん大体JRを使って行けるところは３割引きだから、複数回乗れば大のお得だ。
ただし、新幹線ののぞみ号だけは乗車券以外は、安くならない。香川高松まで、のぞみを使えば４時間台で行ける。『ひかり』や『こだま』では、５時間以上かかる。私は、のんびり行ける場合はひかり”を使うが、時間帯で違うかもしれないが、ひかりは少なく１時間に１本くらいだ。

今回の高松の仕事は、祭日と日曜日の間の日の朝から始まったから、前泊することにしたのだ。さすが飛び石連休だから、みどりの窓口も混んでいた。家族で行く場合は、車両や席が別々になるが、今回は一人で行った。座れればどこでも良いのだ。
私の乗るひかりも混んでいた。私は、前もって切符を買わない。何か宣伝では、スマホやパソコンでも切符を買えるらしいが、そんな技は持っていない。昼弁と飲み物を買い、ホームに上がるとひかりが入ってきた。

高松往復で一番の楽しみは、スジャータという名のアイスクリームを買い、食べることだ！このアイス、新幹線の中でしか売っているのを見たことがない。スジャータは、旨い！この癖は、やめられそうもない。名前もよく思いついたものだと感心する。お釈迦様がまだ修行中の断食の中、村娘のスジャータがミルク粥を持ってくる。断食にも関わらずお釈迦様は、スジャータのミルク粥を食べて悟りを開き仏陀となった、と聞いたことがある。私などのボンクラが、スジャータのアイスクリームをいくら食べたところで悟りに到達することは無理だと承知だが、ついつい車内販売が来ると小銭入れを出してしまう。

往きは東京発だから、車内販売がすぐに来てくれた。が、帰りのひかりは、車内販売が来るか否かも判らない。とにかくひかりは、岡山から新神戸まで各駅に停車する。相生などの駅は、ホームで待っている人も降りる準備をしている人も見たことがない。政治的に出来た駅なのかも知れない。やれ８分停車、やれ１２分停車と、のぞみ号が通過するのを待つ。通過する時は、暴風雨に出会ったように車両が揺れる。岡山から新神戸までは、１車両に数人しか客がいない。とろとろとしていた時、「京都」とアナウンスが聞こえた。はっと周りを見ると満員になっていた。車内販売は来るだろうか？スジャータは食べられるだろうか？心配だ！