閉門即是深山 428
若者たちも、老人も!
やっと緊急事態宣言が解けた!これでお花見や旅、自由な会食が出来るようになるなぁ!なんて、思っちゃいなかった。大丈夫?病は、早く治したほうがいいんじゃない?確かに経済は疲弊するけど、今度はもっと大変なことが起こると思うよ!感染力が増して、重症度が増して、同じことを繰り返していけば大会社なら兎も角、中小企業は7波となればもたないような気がした。
テレビのニュースでは、最近までウクライナとロシアの戦争がイの一番に流れたものだが、今では、以前と同じ日本地図に数字が入った画面が映り「この県はかつてない重症患者の数になっています!」なんてアナウンサーが言っている。画面も話も、ほとんどが以前と同じ状態なのだ。
違うとすれば「今回は無症状であっても、後遺症が残るようですね。その後遺症は、いつまで続くか、そう治るかどうかもわからないようです。頭痛が続くとか・・・」
それまでは、緊急事態宣言が解けて良かった、良かった!と言っていたアナウンサーが踵を返したように言う。勝手に言っているのではなかろうと、思う。お医者様の集団会議が何を議論しているかわからないが、きっと「宣言解除には早すぎる」と言った人が多いような気がする。だって、素人目にもそう思うもの。しかし、国会に行けば、黒が白になる。大会社は、票をいっぱい持っているからその主張が通る。代議士は「票」に弱い。票の言う通りに動く!一般国民の命より大会社の経済が優先する。まるで、大会社は、ロシアのプーチン大統領のようなものだ。昔の政治屋の演説を思い出すが、未だに「貧乏人は麦(注:今は一番の値上がりしている対象だから麦ではないだろう。じゃあ、そう読者が勝手に入れてください)を喰え!」の感覚と同様「一般国民は、後遺症にでもなれ!それより経済だ、大会社が大切だ!」
確かにこの何年か若い人たちは可哀そうだった。入学式も卒業式も、運動会や修学旅行も無い!想い出が無い!教室でワイワイ、ガヤガヤも無く、給食も無い!リアルではなく、リモートである。この可哀そうな話題は、ニュースではいっぱい流れている。学生だけではなかろう!恋人たちだって外でのデートは、やりにくい!でも家の中の方が親密でいいかも!
ところで、その話題に入れてもらえない世代がある。私のような老人たちだ。特に、この感染症は老人には危険だと聞く!が、老人だって生きている、生きているから楽しいんだ!それもいつ来るかわからない別れの時がせまっている、そんな時に、花見も出来なきゃ、友人と酒を酌み交わすことも出来ない。最期になるだろう温泉の旅にも行けないし、可愛い孫(注:とよく言われる)にも会えない。
老人にとって、一年、一年が大切なのだよ!生きていたって、自分でトイレにも行けなくなり、ベッドに縛られ、車椅子でしか動けず、今自分のいる場所さえもわからなくなるんだから!
これからの人たち、若者たちへの同情をニュースで毎日同じ映像を使って見せるのもいいが、切実な問題を抱えた老人たちをもっと「可哀そう!」と言って欲しいものだ。