閉門即是深山 426
拝啓、ウラジーミル・プーチン大統領閣下様
閣下は、キリスト教ロシア正教会の信者であられます。サンクトペテルブルクのお生れでした。レニングラード大学の法学部で法律を学ばれ、そしてリュドミラ・プーチナ夫人と2013年に離婚されました。確か夫人が40歳になられた時です。夫人は、その後、修道院に入られ、2016年に再婚され現在オチェレトヤの姓を名乗っていらっしゃいますね!閣下との間には、お二人のお嬢様がいらした。お二人とも閣下と同じ大学で学ばれています。長女のマリア様は生物土壌学を、次女のカテリーナ(カーチャ)様は東洋学部で日本史を専攻されていたと聞いたことがあります。
現在、閣下はアテネ五輪新体操の金メダリスト、政治家のアリーナ・カバエワ様との間に、お二人の息子様がおいでになると噂に聞きました。話が井戸端会議になってしまいました。閣下が大変お忙しいことは、重々存じ上げております。今、閣下の明晰な頭脳の中は、ウクライナに戦争を仕掛けた問題で一杯でございましょう。そんな大事な時に私みたいな老人の書いた手紙を読んで頂けるだけで光栄でございます。
実は、ふたつのご質問があり、この手紙をしたためたのでございます。私のような老人が、疑問を持ったまま、あの世に逝くのも悔いが残りますのでご勘弁ください!
ロシア正教は、東方正教会の中核をなす教会です。ロシアにビザンティンから正教が入った当初のキエフ時代「卑下の精神」そう、十字架にかけられ辱められたイエスを偲ぶ心が育成されました。ゴルバチョフ、エリツィン各大統領も宗教の重要性について演説されています。キリスト教の基がユダヤ教であることは、聡明な閣下は良くご存じでいらっしゃると思います。また、ユダヤ教の重要な部分のひとつが旧約聖書の「出エジプト記20章―17節及び申命記5章―21節」に書かれている「モーセの十戒」です。
1.わたしのほかに神があってはならない。
唯一の神を崇拝する。(出エジプト記20:3)
2.崇拝に像を使わない。(出エジプト記20:4-6)
3.神の名前を不敬な仕方で使わない。(出エジプト記20:7)
4.安息日を守る。(出エジプト記20:8-11)
5.親を敬う。(出エジプト記20:12)
6.殺人をしない。(出エジプト記20:13)
7.姦淫をしない。(出エジプト記20:14)
8.盗みをしない。(出エジプト記20:15)
9.偽証をしない。(出エジプト記20:16)
10.強欲な人にならない。(出エジプト記20:17)
今、私が閣下にお聞きしたいのは、6~10です。マタイの福音書には「モーセの律法」はイエスが追随者に守り行うように教えた「キリストの律法」に取って代わられましたが、キリスト教は「十戒」を大切にしております。閣下、お答えを聞かせてください!
また、ウクライナに自分の言うことを聞かせるための戦いで、勝ってどうなさるおつもりですか?
プーチン閣下には大変失礼なご質問ですが、お手元に届くことを神にお祈りしております。 敬具
閣下より年寄のひとりの爺より