『1日1問 読めば身につく健康歳時記365』| 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 359

『1日1問 読めば身につく健康歳時記365』を読んでコロナと戦う!

面白い本が出た!いや、為になる本と言っても良いだろう。帯の部分には「世界の最新エビデンスに基づいた内容 著者は29名の学者陣の執筆」と書かれていて大きく「京都大学とのコラボ企画」とある。

確かに執筆陣を見ると、京都大学名誉教授で元副学長、現在医療経済研究機構特別相談役で医療経済・行動経済学の専門家西村周三博士や京都大学名誉教授、京都産業大学や中京大学で教鞭をとっている運動生理学の森谷敏夫博士、京大大学院医学研究科の健康情報学分野の教授で疫学・健康情報学を専門で研究されているお医者様中山健夫博士の名前もある。さらに、臨床予防学を研究、内科医の板根直樹先生と豪華絢爛で有名なお医者様や看護師、管理栄養士、薬剤師の博士、認知症サポーター等々とそれぞれ皆、目が飛び出るくらい有名なお名前が並ぶ。

なぜ、私がこの本を紹介するかと云うと、東京や北海道、大阪や名古屋の市長さんたちが毎日のようにテレビのニュースに顔を出し、今日は、新型コロナウイルスの感染者が500人以上になったとか、病床が足りないとか、飲食関係のお店に時短営業を求めるとか、はたまた「不要不急の外出を避けて、お家にいて欲しい」とかの自粛お願いを叫び出したからだ!
そして、菅総理といえば、自分のプランだったgo toキャンペーンに対する記者からの質問にいっさい答えず、経済第一とばかりにキャンペーンを止めようとしない。「俺たち国会議員が悪いんじゃないもんね、役所や市長たちがやればいいんだもんね!顔が分からない国民より、まとめて票をくれる経済界の人達を守るんだ~い!」と、言いたい顔のように私には思える。

ちょうど100年前、第一次世界大戦が収束したころに世界を席巻する大きな出来事が起きた。スペイン風邪である。100年前だから各国とも情報を得ることも難しかったろうし、医療体制も医療技術も幼かったに違いない。結局自分の身は、自分で守らねばならず心臓に持病を持つ祖父などは医者から「用心をしないと、何時コロリと行くかも知れませんよ。四十度位の熱が三四日続けばもう助かりっこありませんね」と言われたらしい。祖父32歳の頃だった。

「毎日の新聞に出る死亡者数の増減によって、自分は一喜一憂した。日毎に増して行って、三千三百三十七人まで行く(中略)病気を怖れないで、伝染の危険を冒すなどと云うことは、それは野蛮人の勇気だよ。病気を怖れて伝染の危険を絶対に避けると云う方が、文明人の勇気だよ」と続けている。
「自分は、極力外出しないようにした。そして朝夕には過酸化水素水でウガイをした。止むを得ない用事で、外出する時は、ガーゼを沢山詰めたマスクを掛けた。出る時と帰った時に、丁寧にウガイをした」と、書いている。今の我々と、それほど違わない。

自分でコロナから身を守るには、マスク、ウガイ、手洗いしか無いのだろうか?100年前と違わないのだろうか?医療は、100年でそうとう進化しているはずだ!その答えが、この本に潜んでいるのだ!今も昔も自分の身は自分で守れ!と言われる。ならば、専門書を読めない我々は、どうしたら良いか?この本を読めばきっと見つかるのではないか、と思う!