閉門即是深山 301
歳には勝てぬ
8月の初めに私と小学1年の時から67年間も付き合っている今同じバンドでリードギターを弾いている男が胆石で手術をした。
彼は、何人かヨット好きを集めて1隻のクルーザーを買い葉山マリーナを拠点としている。私も1級の船舶操縦免許を持っているので誘われたが、船酔いが烈しいのと泳ぎが苦手、またあんな金のかかる道楽を趣味にしたくないので断った。
彼は、7月の終わりにヨット仲間たちと共に沖縄でヨットをレンタルして無人島に寄る企てをした。しかし、沖縄本島に行った2日目の夜中に強烈な腹痛が彼を襲った!救急車に乗ったと聞く!本島だったので大きな病院に運ばれ、いろいろな検査を受けた。彼が言うには、持病の胃痙攣を起こしたと思ったらしいが、生兵法かも知れない。じょじょに胆石が出来ていて、医者にも行かずに勝手に胃痙攣だと自分で判断したに違いない。
私も30年前に胆嚢炎を患った。胆石の痛みは、人間の病で起こるべスト3に入るほどの痛みである。私の場合は昔だから、腹をバッサリと切らねばならなかった。今でも手術前のプロレスラーの様な女医さんの言葉を忘れない。斬り方にふた通りあるという。乳首の真ん中からお臍に向かって真っすぐに切る方法と、何かクランク型に切る方法だと云う。私は「どうせやるなら干物の様に左右対象に!」と言って、最初の方法で手術をしてもらった。何時間もかかったらしい。2週間近く入院していたようだ。ところが、今の医療の進化の凄さの表れか、彼は3時間くらいで手術が終わり、5日間で退院した。
我がバンドの歌手の女性は、彼が退院した少し後に足の指を折った。ドクターは、ギプスを薦めたが8月の最終土曜日に葉山マリーナで我々が出演するライブがあったので、ギプスを止めてテーピングにしてもらった。歌手がギプスをしてマイクを握ったら、観客もド肝を抜くだろうし、痛々しい!
キーボードは、この夏足が浮腫んだと云う。踝のあたりが確かに腫れあがっている。ベースの女性とドラムの私だけが元気で、後は満身創痍である。
実家の倉庫に私は2台のドラムを保管している。普通サイズの素晴らしいビンテージ物は重くて自分では運べないから、小形のセットを自分の車の後部座席に載せた。ライブの2日前、エンジンの調子をみるために、エンジンをかけてみた。私の車も今やビンテージ物で、16歳だから気まぐれである。ところが、ウンともスンとも言わない。JAFを呼んでエンジンを動かしてもらった。までは良かったが、走ろうとしてブレーキを踏んだら床まで付いてしまった。良かった!このままこの車で葉山に行っていたら、私のブログは終わっていたに違いない。家の前にレンタカー会社がある。なにせ使うのが土曜日である。自分の所のは予約でいっぱいだが、と言って八王子ナンバーの車を呼んでくれた。
3人が病、私はセットを運ぶ車の事故、それでも観客は楽しんでくれたらしい!