閉門即是深山 284
高齢者の自動車事故
最近、テレビのニュースでは、高齢者の自動車事故を毎日のように流している。何か、自動車事故は高齢者だけが起こしているように来る日も来る日もである。自動車事故は、毎日何処かで起こっているはずなのに、また以前だったらニュースにもならなかったような軽微な事故まで、運転が高齢者であれば大事故扱いである。それならば、毎日のように起こる自動車事故の全てをテレビも新聞も取り上げて良さそうなものだが、それはしないのだ。ここに報道の落とし穴がある。編集者が「これは、社会的な罪悪だ!」と決め付けたものを選び、徹底的にやるから怖い!何が怖いかといえば、最近、編集者の個人的判断だけで善と悪が決められているようだからだ!1社がやれば、これに各社が追々する。まるで『魔女狩り』の如くである。だからと言って、高齢者であっても運転をして、他人を傷つけたり、死に至らしめて良いと言っているわけでは無い。
何かこの問題が、ごく最近になって多くなってきたような気がするのだ。日本で自動車が普及してきたのはいつ頃だったろうか?私は、今年73歳になる。昭和37年に16歳で軽自動車の免許を取った。その頃にスバル360やマツダ・キャロルが売りだされた。どちらも運転した記憶がある。大人たちは、観音開きのトヨペットクラウンを見ては、涎を流していた頃である。自動車と言えば、キャデラックやフォード、シボレーなどのアメ車、オースチンやヒルマンなどの欧州車しか無く、やっと国産車が走り出した頃である。ちょっとたって、トヨタがパブリカを出した。パブリック車である。ダットサンを米兵達に、ダッツンと呼ばれ、小さくて、丈夫で、よく走ると褒めたたえた。その頃、車も少なかったし、教習所もあまり無かった。路上を無免許で練習をして、試験場で免許を取得した人も多かったはずだ。そんな時代だった。
自動車造りの考え方も変わり、硬いバンパーから直ぐに割れるFRPを使ったバンパーが主流になった。車を守るという考えから、乗車人を守るという考えになった。ほとんどがトルコンになり、コンピュータ搭載の制御型になった。路だって戦後は、ロータリーだったのが、信号機式の四差路型になった。自動車に拘わる環境が大きく変化したのだ。
人間も「人生100年時代」と呼ばれる。今の高齢者たちは、馬車馬のように働いた。そして、やっと憧れの車に乗れるようになった。が、このありさまである。「人生100年」は、良いのか悪いのかと問われれば、面白くなければ「悪い!」と答える。車も運転出来ず、厄介者扱いをされて「あいつらが、悪い!」と言われながら健康のために煙草をやめろ!酒は糖尿の原因だ!1日1万歩を歩け!老人は、金がかかるから高齢者保健は別にするぞ、うんと絞り取ってやる!どうせ、あの世まで金は持っていけねえぞ、なんでもいいから使っちまえ!トホホ、楽しくなければ長生きしても仕様がない!
追伸・読者の皆様へのお知らせ
■ラジオ番組
私の祖父・菊池寛の著作『満鉄外史』(原書房刊)がNHKラジオ第2で全40回にわたって朗読されます。タイトルは、朗読「菊池寛~満鉄外史~」です。放送日及び再放送日、番組ホームページ(NHKラジオ第2文化番組)でも聞けます。日時を列挙いたします。お時間のある方は是非に!
放送日:6月3日(月)~7月26日(金)
午前9時45分~10時の15分間
再放送:6月8日(土)~毎週土曜日
午後9時45分~11時(月~金一挙放送)
NHKラジオ第2 文化番組ホームページ
https://www4.nhk.or.jp/roudoku/
■講演会
①令和元年 7月15日(月曜日)午後1時30分より
場所:山形県鶴岡市 鶴岡公園内 荘内神社参集殿
演題:「菊池寛 仇討小説の裏側」
主催:鶴岡市立藤沢周平記念館
入場無料 葉書で当記念館に応募 定員200名
締切:6月20日消印有効
②令和元年 7月27日(土曜日)午前11時より
場所:高松市菊池寛記念館ホール
香川県高松市昭和町1-2-20 サンクリスタル3F
お問い合わせ:高松市菊池寛記念館
電話 087-861-4502
詳細は、高松市菊池寛記念館ホームページにて
http://www.city.takamatsu.kagawa.jp/kurashi/kosodate/bunka/kikuchikan/index.html