良いお年を! | 閉門即是深山(菊池夏樹) | honya.jp

閉門即是深山 164

良いお年を!

このブログ「閉門即是深山」を書いて164回目になる。
これを始める以前にも、このようブログを毎週書いていたから、もう500本は、越えたのではないだろうか?
しかし、私のような拙い文章を、また内容も希薄な文章を読んでくださっている読者の皆様には、ひたすら脱帽である。

齢をとると、一年がとても早く感じる。誰しも、1日は24時間であろうし、1年は、365日であるのに、年をとると「あっ、という間の1年と感じる」
若い時は、そうじゃなかった。早く大人になって、自由になりたい、好きにしたい、と思っていながら、なかなか大人になれなかった。それほど1年が長かった。故渡辺淳一さんが言っていた。
「自分が通った年齢までは書けるけど、経験していない年齢は書けないものだよ!」
これは図星で、このブログを読んで下さっている読者の中で私より若い人がいたら「あっという間の1年は、想像外だろうと思う」

今年は、何を書いてきたのか、いい加減で適当に書く私には思い出せない。ためになる話は書けなかっただろうということだけは、判る。老骨に鞭を打ってドラムの練習に励み、少しでも認知症対策をしたことは書いた気がするし、ふたつのバンドを掛け持ちしていることも書いた。そのバンド仲間のおかげで、知り合いたかった直木三十五さんの甥にあたる植村鞆音さんに逢えて、以前より懇意にしている吉川英治さんのご子息吉川英明さんと3人で舞台の上で座談会を、来年秋に高松市ですることも書いた気がする。

また、自分自身のため、私の息子のために、公の場を利用して『我祖父・菊池寛のルーツの旅』と称して、ご先祖探しを何回かにわたって書いた。そのおかげで、それを読んだ菊池一族の方から澁谷龍著『探求 菊池一族』という資料も贈っていただいた。何も書くことが浮かばないとき、オフィスの近くにあるニュー・セムという煙草が吸える喫茶店のことを無断で書かせていただいたこともある。もう私も齢である。眼はかすみ、もの忘れもひどく、認知症一歩手前であるから、やらねばならぬことをして、それを書いてきた。祖父・菊池寛の小説は、春風亭小朝さんが今年から何本も落語にして高座に挙げて下さっている。そう、日本P.E.N.クラブのことも書いた。
そろそろ私の心の整理である。やることは、やってきた!これから、何をすれば良いのだろうか、正月に考えてみる。読者の皆様に良い年が来ますように!また、今年一年ありがとう御座いました! 一陽来福