「明けまして、おめでとうございます」 | honya.jp

閉門即是深山 65

「明けまして、おめでとうございます」

松が取れて、何日も過ぎて間が抜けているかも知れませんが、本年最初の挨拶を読者にしようと思います。

明けまして、おめでとうございます!
本年も、どうぞこのブログを読んでください。宜しくお願い申し上げます。

このブログを始めてから、今回で65回目になる。暮れと正月を除く毎週金曜日に更新されるから、昨年は51回書いたことになる。
“ちゃらんぽらん”で“適当な奴”といわれ“いい加減”な我が身を考えると、実に生真面目に書いてきた。いや、それは、ハードだけで中身は、実にいい加減で適当であるが…。
私は定年まで勤めてきた出版社を退職してから、弱小出版社助っ人人間としてほとんど毎週ブログを書いてきたから、もう400本以上になる。呆れてものがいえないほど、生真面目である。

さて、昨年の年賀はがきには、このブログのタイトル『閉門即是深山』と書いた。ある作家から「良い言葉だねぇ」と返事をもらった。本来は『閉門即是深山 讀書随處浄土』と続く。このブログを始めたときにも書いたことだが、この漢詩は、祖父菊池寛が好んで色紙に書いた言葉だった。現代訳を敢えてすれば「ドアを閉めれば、すぐ其処は静かなる深い山中、読書は何処でも出来るから極楽といっても良い」こんなところか。
祖父が好んで色紙に書いた言葉が、いくつかある。
『無事之名馬』もそのひとつで、これは「足でも折れば、名馬とは言えまい。無事でいることこそが、名馬の資格なのだ」といえるだろう。
もうひとつ挙げれば『人生戀すれば憂患多しと 戀せざるも亦憂患多きを』がある。この言葉は、なかなか色っぽい。「人生恋をするととても大きな悩みを持つことになるが、恋をしなくても又大きな悩みがあるものだ」とでも訳すのだろうか?「恋をしなきゃ 損、損!」と言っているようだ。

私は、暮れから正月にかけて「閉門即是深山 読書随処浄土」の意味が良く判った。
今年1年「無事之名馬」でいたい。
ただし、我が歳を考えれば「人生恋すれば憂患多しと 恋せざるも又憂患多きを」だけは、ごめん蒙りたい。