閉門即是深山 329
白い手
私の家の家系図を探ると、元は藤原の武士だった。それが、肥後熊本に赴任して菊池市(鞠智)に住み着いた。一時、藤原菊池と名乗ったが、藤原を略して菊池となった。そこから11くらいの名前が生まれている。赤星さんや城さんもそれだ。
朝廷を守る武士団だったから、平家につき、源氏につき、北条に付いたころ、豊臣秀吉とその家来、家康に攻められ、高野山で刀を置き、坊主になった。そして、京都に住み着き、儒学の朱子学を学び、それ以後儒者として、明治維新まで累々と続いてきた。儒学は、途中朝鮮で、朱子学と陽明学に分かれたと聴いたことがある。
話は変わるが、昨年、私はこのブログで「猪年」亥年は、良くない年だと書いた記憶がある。特に、昨年の亥年は、もっとも良くないはずの年であった。まっ、私にとって悩みの多い年だったが、それでも思ったより悪くはなかったことにホッとしたものだ。四柱推命学や他の古くからある占いの1年は、現在の正月から計算するものでは無い。旧正月、春分の日をもって年が変わる。ホッとした矢先だった。やはりとんでもないことが起こった。
儒学の朱子学は、占いでは無い。孔子の『論語』を学び、それを実践するという学問である。陽明学は、私は知らないが、物語を読むと何か「占い」を含めた学問のような気もする。「猪年」亥年が良くない年、特に昨年は、相当悪いことが起きても可笑しくない年、今年の春分のあたりから、新型コロナウイルスが流行したのは、ある人、または自然から見ると不思議でも何でもないのかも知れない。中国、イタリア、アメリカ、スペインなど、多くの感染者が出たし、また多くの尊い命が失われた。とても大変な、愁傷なこと、自分や家族が襲われるかも知れぬと判っていて、不遜を承知で言えば、飛行機が1機墜落すれば、200人、300人の命が一気に失われる。それが、世界の空を同じ時間に何百という飛行機が飛んでいるわけだから、危険は同じはずなのだ。飛行機は、落ちない!誰が、そう決めたのだろう。
私は、仕事上よく香川県の高松に行く。しかし、息子は、私が飛行機を使うことを特に嫌がる。なので、私は出来るだけ新幹線で岡山に行き、マリンライナーで高松に向かう!今度は、新型コロナウイルスが私を襲うことを心配してくれている。「オヤジ!オヤジは、良いかも知れないけど、オヤジがかかれば家族全員に感染させるんだぞ!チョロチョロ外出するなよ!」なんて、優しい言葉をかけてくれて、嬉しい!私も注意深くなり、どこでもアルコール消毒液があれば、セオリー通りに手を洗う。どこでも洗面所を借りて置いてある石鹸を使い、これもセオリー通りに洗う。解ったことは、私ならば、利き手の右手を洗うのが難しいようだ。左手で、洗わねばならないからだろう。その点、私は得をしている。ドラムを練習しているせいか、左手も右手同様器用に動かせるようになってきていた。コロナが無かったら、それに気がつかなかったかも知れない!
先日、家人が私の手を見て、そんなに白かったかしらん、と言った!それは、さも今までに、私が手をよく洗っていなかったと言わんばかりである。父・菊池寛の言い癖に「風呂に入らなくても死なん!」があったのを思い出させてくれた!
【お知らせ】
ラジオ日本『千花有黄の道いろいろ』(毎週月曜日21時(夜9時)~30分)にゲストとして呼ばれました。
放送日は、次の通りです(ゲストコーナー およそ10分)。
・4月20日(月)(済)
・4月27日(月)(済)
・5月 4日(月)
3週にわたって出演します。よろしければ、お聴きくださいね。