閉門即是深山 297
同級生交歓
「A君がさぁ、最近同窓会をやってないねェ!と言うからさぁ、プチ同窓会をやろうと思うんだ。明後日2時に幹事になる奴らを集めることになったんだ!お前も来てくれないか?」親友が携帯にかけてきた。「いいよ!2時に行く」私は、答えた。
彼との付き合いは長い。なんせ小学1年からだから67年になる。彼とは、何人かの同級生を入れ大学時代にバンドを結成した。そしてリタイアした後、再結成したから何もなければ死ぬまで友人となるだろう!彼の電話の話を聞いて「おや!」と私は思った。
確かに5~6年に1度、同級会を開いてきた。が、今は、それが数年間滞っている。今までの幹事団も歳をとって疲れてきたのだろうと思う。私も以前の幹事団のひとりだった。しかし、思いつきのプチ同窓会でも「同窓会」と名が付けば、公のものになる。招かれなかった者にとって、後から知ったら憤慨の対象の何ものでもない。また、今まで苦労して同窓会を開いてくれた幹事団を今回除けば、分裂をおこす。たぶん、何も考えずに発案だけして動き出したに違いない。
2時に所定の喫茶店に入った。6人の幹事である。私は、皆に考えを述べた。今回は、正式に同級会をやる準備会としよう!そして、今まで苦労をかけた幹事団も呼んで、以前からの幹事団に新しく幹事を足して、今後毎年同級会を開くことが出来るようにしようと言った。この数年で何人か同級生が死んでいる。今までのような悠長なことは出来ない。同級生は、増えない!かならず減るのだ!生死消息も知っておきたいし、連絡先も知っておく必要がある。1年も経てば、どんどん変わっていく。73歳とは、そんな年齢である。
それを条件に、同級会準備委員会の初委員会が御徒町のこジャレたレストランで開かれた。参加者21名。やはりプチ同級会になってしまった。
元の幹事団、特に幹事長は、嬉しそうである。そのはずで、何年かに1度だったから、毎回新名簿を作らねばならない。男子学校だから、あまり苗字は変わったりしないが、ほとんどがリタイアしたから、住まい、連絡先が変わっている。しかし、これだけの幹事団が出来れば彼にとっても心強いと思う。それこそ、幹事の我々だって、どこまで動いていけるか判らないのだから。
皆が趣旨を確認した頃に乾杯となった。こうなりゃ、もう正式も何もあったもんじゃない。真面目な話は、出来ない。最初の約束に「病気の話と孫の話は、今日は、禁忌!」と言ったにも関わらず、スマホの待ち受けにある孫の写真を見せて廻る者、何年か前に脳溢血で倒れたが、苦しいリハビリに挑戦し、まだ手足の痺れはあるものの先週ゴルフに行って来た!と、病気自慢をする者も現れた。
幹事になると忙しい。名簿の漏れは禁物であり、その名簿を出来るだけ完璧にするには2ヶ月は、かかる。人を追い廻さなければならないからだ!私は、いつやるの?と聞いたら、今年からと答えが帰って来た。ギョえ!