多忙 | honya.jp

閉門即是深山 101

多忙

いやはや、この8月から9月、また10月以降もこの70歳を目前にした老人が忙しくなってきた。

以前このブログで書いたが、日本ペンクラブの私が所属する企画事業委員会で理事兼委員長を勤める先輩編集者が救急車で運ばれた。あるとき大きな頭痛が襲ってきて転げ回ったらしい。医者の診断は、片頭痛らしいが、片頭痛で転げ回り救急車騒ぎになるかしらん。心配だが、ご本人に頼まれて副委員長である私が、委員長代行を勤めることとなった。
会議も多く、また出張も多くなる。が、やらねばなるまい。忙しい・その1は、それである。まず、10月に京都で例会があり、24日には、日本ペンクラブと那須の近くの大田原市の交流事業『大田原市文学サロン』に行くことになった。この事業は、平成14年から始まったらしい。
今年は、『大田原市・日本ペンクラブ共催15回記念』と『日本ペンクラブ創立80周年記念』の年が重なっている。パンフレットを見ると、那須野が原ハーモニーホールで12時半開場となっている。第1部は「なぜ書くか、何を書くのか~文筆生活を語る」と題されている。講演者は『佃島ふたり書房』で第108回の直木賞を受賞され『七つの顔の漱石』や『作家の値段』の著者出久根達郎さんと書かれてある。以前杉並区高円寺でお目にかかったが、なかなかお話が上手くて、面白い。聞くのが楽しみになる。
第2部は「文士と言われた作家たちの素顔とエピソードを語る」とある。座談会形式のようだ。司会は、日本ペンクラブ常務理事の高千劔破さん、出演者は、植村鞆音さん。鞆音さんは、『南国太平記』の著者で直木賞の名前となった直木三十五の甥御さんである。それに、『宮本武蔵』や『鳴門秘帖』の著者吉川英治のご子息の吉川英明さん。ゲッ!菊池寛の孫として私の名前も書かれていた。いつものような受付係や場内整理の担当ではない。この記念の年に、舞台に立つのだ!ゲッ!だ、誰が決めたんだ!もうパンフも出来ているじゃない。植村鞆音さんは、テレビ東京で活躍されて『直木三十五伝』も書かれている。吉川英明さんもNHKで放送記者後、『父 吉川英治』を世に出している。おふたりともテレビ時代の申し子のようなひと達で、共通した話題を持っている。僕なんて……と、拗ねてはみたが、70歳に手が届こうとしている爺には、カッコがつかない。

さて、その2は、春風亭小朝さんが、いたく祖父・菊池寛の小説を気に入ってくれて、作品を落語にしたいと言ってくれているそうだ。先週の木曜日にBS朝日のテレビ番組に出演したが、その取材を香川県の高松でおこなった。「うどん県」で有名な香川県である。東京からは、エラく遠い。そこにわざわざ小朝さんのマネージャーが来てくれたのだ。2,3日待ってくれれば私が東京に戻るのに、わざわざ私に逢いに来て下さった。わざわざ…!
お断りするつもりは、まったく無かったが、これじゃぁ、どんな理由があってもお断りできるものじゃぁない。

その3は、高松に行ったときご当地の同人雑誌『あらら』春号に原稿を頼まれた。扉頁の何枚かと中面である。ショート・ショートを書こうと思っている。

その4は、まったく遊びだが忙しい!
これも以前、このブログに書いたことだが、昨年の春あたりからロックのバンドを組んでいる。爺婆バンドだがライブをやると評判が良い。これも出来るだけ続けて行きたいと思う。しかし、主婦が3人もいるから練習が月に1回と少ない。月に1回というと年に12回となる。幾つまで生きられるかは、わからないけど、75歳の後期高齢者まで身体が動くとして、もう100回も練習が出来ない。

そんなわけで、もうひとつ新しいバンドを結成した。大学入学と同時に、我々は、まず4人でロックのインストゥルメンタルのバンドを組んだ。そして、「The XL-4」と名付けた。後にキーボードが入り「The XL-5」に変えた。そのときのメンバー、リードギターとベースと私のやるドラムが生き残った。サイドギター2人は、今この世にいない。
新しいサイドギターに入ってもらって爺の新生バンドの誕生である。その名も「Neo XL-4」である。『新世紀エヴァンゲリオン』に真似れば「新世紀 XL-4」である。ああ、忙しい!
新しく入ってくれた人がお医者さまで、高校時代にバンドを組んだ経験から最近になってギターの練習に励みだしたと聞いてお誘いした。我々より2歳下だが、高校時代のバンドだから殆ど同じ曲をやっていた。開業医でお忙しいだろうから月に1,2度の練習になるだろう。1年後の話で、鬼がケラケラと笑うだろうが、私が入り浸っている喫茶店、赤坂のNewSemのママに相談をすると土、日のライブならばお店を貸してくれると言う。そのビルは、赤坂のインター・コンチネンタルホテルの真向かいにあってシュチュエーションには申し分ない。2階は、ママの弟さんが開業している関デンタルクリニックだし、地下は、娘さんが経営しているダイニング・バーがある。赤坂のあたりは、日曜となれば人通りも少なくなり音を出しても大丈夫そうだが、やはり音楽には、地下が良いのかも知れない。ママは、このビルのオーナー一族のひとりなので、話が早いのだ。このライブを目標に新世紀XL-4も頑張れそうだ。とにかく70歳の老人は、多忙になりそうである。