スタジオライフ公演『アドルフに告ぐ』 | honya.jp

閉門即是深山 94

スタジオライフ公演『アドルフに告ぐ』

以前このブログにも書いたので、重複して申し訳がないことだけは前もって謝らねばならない。ごめんなさい!

1983年1月6日から1985年5月30日まで『週刊文春』に連載された漫画の神様手塚治虫氏が画かれた『アドルフに告ぐ』が、8年ぶりに劇団スタジオライフの手で新宿紀伊国屋ホールで7月11日(土)から8月2日(日)まで再演されている。その後、8月22日(土)から23日(日)の2日間大阪梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで公演があるとパンフレットには書かれている。
この公演の問い合わせ先は、Studio Life  電話:03-5929-7039 で受け付けているそうだ。チケットは、一般席5,800円だと、これもパンフレットに書かれているのを写している。

なぜ、こんなにこの公演に肩入れして二度までもこのブログを使って書いているかと言えば、劇場のプログラムに『この芝居を一番観たかったひとは、手塚さんだったろう!』という一文を私が載せているからだ。
もうひとつナイショの理由があって、今回でこの『閉門即是深山』は、94回目になるが、私が退職して書いてきたブログが400本になる。気の遠くなる数で、よく続けられてきたなと思う。それだけ書いてくれば、書く内容が無くなる時もあって、正しく今がその時だった。何日も前から、何とか締切日に間に合わせようと考えてきたが、何も浮かんでこなかった。一度書いた題材は、書くまいと思ってやってきたが、浮かばない時は、浮かばない!
テレビのニュースを見れば、先生にSOSを出しながら気がついてもらえず自分で命を絶った子供の話も流れているし、ギリシャの問題や何処かの馬鹿な首相が国民を愚弄している姿も見せられるが、出来る限りブログには、政治や経済や事件を書かないようにしてきた。じゃあ何を書こうと思っても何も思い浮かばず、なら、知り合いの劇団の応援でもしてやろうかと書きだした訳だ。
常に芝居は、不遇である。小劇団となれば、良い芝居であっても宣伝が出来ない。まだ、このブログが掲載される時は、東京での公演もされているだろうし、関西の方々がこのブログを読んで行ってみようかと思うかもしれない。いつも愚にもつかぬことを書いているが、たまには人様に役立つことも良いかも知れない。と、思い立った。今年は、戦後70年。私の元勤めていた会社の先輩で半藤利一さんが書かれた『日本の一番長い日』も映画化されている。半藤さんの奥様は、夏目漱石の…、まつ、そんなことはどうでも良いか!いつも脱線し過ぎて、肝心なことを書くスペースが無くなってしまうので、今回は、ぐっと我慢する。そういえば、漱石が亡くなったのが1916年12月9日だから今年は、夏目漱石没後100周忌ということになる。いや、我慢、我慢!
そうだ『アドルフに告ぐ』の公演の話しだった!私に送られてきた封書にパンフレットと共にコピーされた「あらすじ」が入っていた。まぁ、劇団の宣伝をしているわけで著作権で云々無いと信じて下記することにした。

『1983年、イスラエル。1人の日本男性がひっそりと墓地の一角に佇み、ある墓の前に花を供えた。彼の名は峠草平。40年前、3人の「アドルフ」に出会い、そしてその数奇な運命に立ち会うことになった彼は、全ての終わりを見届けた今、その記録を1冊の本として綴ろうとしていた。
時は1936年8月、ベルリンオリンピックに湧くドイツへと遡る。協合通信の特派員であった峠草平は、ベルリンオリンピックの取材にドイツに派遣されていた。8月5日、取材中にベルリン留学中の弟・勲から1本の電話が入る。勲はおどおどした調子で草平に「重大な話があるから明後日の夕方8時に必ず自分の下宿に来てほしい」と頼んだ。峠は個人的な話だろうと思い、弟の深刻さを理解しないまま電話を切った。
8月7日、勲との約束の日がやって来た。草平の取材しているオリンピック競技は棒高跳びから始まり、アメリカ勢3人と日本2人のしのぎを削る争いとなった。その後雨が降り出し競技は中断。決勝は日没後にもつれ込んだ。そのため草平は弟との約束の時間である8時に間に合わなかった。
ようやく競技が終わり、草平は急ぎ足でタクシーに乗り込み、勲の住んでいるベルリン大学の西通りへ向かったが、勲は何者かに襲われ、無残な姿となっていた。しかも勲の遺体は予想もしない形で持ち去られ、行方不明になってしまう。さらには事件そのものが跡形もなく消されてしまった。
自分が約束に遅れたために、勲を死なせてしまったと悔やむ峠は、勲の遺した謎を追って奔走するが、彼自身にも危険が迫る。アセチレン・ランプとの邂逅、そして勲の元恋人を名乗る謎の女ローザの出現。様々な奇禍を重ねながら、物語はやがて日本へとその謎の舞台を移して行く。』

上記の「あらすじ」の後に「登場人物」の峠草平、アドルフ・カウフマン、アドルフ・カミル、小城典子と続き、最後の方にアドルフ・ヒットラーの名前が出てくる。さてさて、観てのお楽しみということになる。
そう、そう、どこかの国の首相様、ヒットラーにだけは、なりませぬように!そして『何処かの国の総理に告ぐ』の主人公になりませぬように!
お芝居まだやってまっせ!